2014年2月13日木曜日

安倍晋三さんがアップを始めたようです。

今日は前半小難しい話をします。渡部です。



〜以下,小難しい話〜

時事通信によれば,2月11日,安倍総理大臣は,集団的自衛権の行使を可能にするための憲法解釈について,閣議決定により行う方針を固めたようです。
【憲法解釈,閣議決定で変更=集団的自衛権容認へ首相方針(時事通信)】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140211-00000060-jij-pol


その上で,翌日2月12日の衆議院予算委員会で,「(憲法の)解釈変更によって,集団的自衛権の行使が認められるというふうに政府として答弁したことはありますか。」と民主党の人と内閣法制次長さんが喋っていたら,安倍総理大臣がこう話しました。

「今のこの情勢の変化,の中において,もう一度それをよく考えてみる必要がある,と。」
「最高の,私は,責任者は,私です。」(「そのとおり!」と野次。)
「私が責任者であって,政府の答弁に対しても私が責任をもって,その上において,私たちは選挙において,国民から審判を受けるんですよ。審判を受けるのは法制局長官ではないんです。」
【安倍首相,憲法解釈の見直しの判断について「私が最高責任者」(フジテレビ系FNN)】
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20140212-00000977-fnn-pol

〜以上,小難しい話〜


安倍晋三さんがアップを始めたようです。

今日は面白いので,田舎ののほほん弁護士が,一国の首相をいじろうと思います。


①自衛権って何?

これはイメージが湧きやすいと思うんですけど,簡単に言えば,「やられたときに自分達を守るためにやり返す権利」というものです。

たぶん,一般の方からすると,「そんなの当たり前だろ」と思われるでしょうけど,実は,憲法9条の存在により,「日本は自衛権すら放棄しているのである(=ガンジー的国家)」という学説もあるぐらいで,それぐらい慎重な議論がなされている部分でもあります。

もちろん,この点に関しては,判例通説ともに「自衛権までは放棄していない」というところで落ち着いています。

そのように訴訟物として司法研修所でも徹底して勉強しました(法曹関係者のみに通じるジョーク)。

また,自衛権発動の3要件というのもあるんですけど,これは説明するのがめんどくさいので割愛します。


②集団的自衛権って何?

さて,ここからが本題なんですけど,自衛権は大きく2つに分けることができます。「個別的自衛権」と「集団的自衛権」です。

個別的自衛権:自分がやられたからやり返す。

集団的自衛権:自分と密接したある国がやられたら自分も反撃に参加する。

自衛権行使が認められている以上,個別的自衛権の行使の方はあまり異論がないのですが,集団的自衛権の行使についてはものすごい議論がなされています。

と,言いますのも,「自分と密接したある国」が「やられた」のがどういうケースなのか,時の支配者のさじ加減で決まってしまい,ある意味侵略戦争的なものに日本が突入する危険性があるからです。由々しき事態です。

いろいろな考え方があるのですが,ここで私が1つの考え方を提示します。

日本が国際法上,集団的自衛権を有していることは,日本が主権国家である以上,当然であると言えます。しかし,憲法第9条の下において許容されている自衛権の行使は,日本を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきものであり,日本以外の他国に加えられた武力攻撃を実力をもって阻止することを内容とする集団的自衛権の行使は,憲法9条の想定を超えるものであって,憲法上許されないと考えられます。

どうですか。納得して頂けるでしょうか。

まぁ要するに憲法9条バリアがあるから,集団的自衛権を行使できないという考え方です。

ご批判もたくさんあるでしょう。

ただ1つ言わせて下さい。

黙っていましたが,実は私がご提示したこの考え方,私ではなくゴーストライターが考えたものなんです。現行憲法上集団的自衛権は行使できないという結論は私と同じ考え方なのでゴーストライター使いました。

だからもし批判があったらゴーストライターの方へお願いします。

ゴーストライターはこちらです。
    ↓
http://www.mod.go.jp/j/approach/agenda/seisaku/kihon02.html

ぼくのゴーストライターは防衛省です。

おいマジかよ防衛省でさえ「無理」って言ってるんだぞ…



③「閣議」って何?

ところで,閣議閣議って安倍晋三さんが言ってますけど,閣議ってなんでしょうか。

閣議とは,「内閣がその職権を行うために開く会議のこと」を言います。

実は閣議っていうのは憲法で使われていません。

憲法は内閣の運営方法について,細々としているから法律で定めた方がいいと考えているため,日本においては,法律が内閣の権限行使方法について制定しているという形になっています。

で,閣議等,内閣の運営について定めている法律が内閣法という「法律」です。


④「法律」と「憲法」って違うの?

一般的に使われている用法で考えれば,「違う」と答えるのが正解でしょう。

日本の法制度体形は,ざっくり書くとこうなっています。

・憲法(絶対的王者)
  ↓
・条約(相手国のある約束)
  ↓
・法律(細かいやつ決める。いっぱいある。)
  ↓
・政令とか条例とか



これを当てはめてみます。

・憲法:「集団的自衛権ダメ!」by9条
  ↓
・条約:「日米合同作戦は,これもう個別的自衛権じゃなくて集団的自衛権だよね」byアメリカ
  ↓
・法律:「憲法からある程度は委ねられた。閣議でやれ。ただ,憲法には逆らえん。分かっているだろうな。」by内閣法


ここで「あれ?安倍さんおかしくね?」と思った方は素晴らしいと思います。

うん,そういうことです。


⑤「安倍晋三さんがアップを始めました」の意味

本来,憲法というのは,国民が権力者を縛るために設けた「権力者との約束事」です。

だから権力者は憲法を遵守しなければなりません。

実はこれは権力者側にもメリットがありまして,憲法をきちんと遵守していれば,たいていの場合は約束した相当事者である国民も納得しますから,クーデターの心配がありません。

もし,現行憲法が想定していないことをやろうとした場合,そのままやったら国民との約束を反故にする訳ですから,憲法を改正(国民と約束し直す)した上で行うのが筋でしょう。

ところがどうも,「憲法を改正するのもめんどいから閣議決定で既成事実を作って集団的自衛権認めちゃえ」的なノリが見受けられます。


ちゃんと手続き踏んで約束し直して下さい。


そのために,憲法はわざわざ自分の条文の中に改正手続きについても定めているんです。

ところがどうも,「国民と約束し直すやり方がめんどくさいからそのやり方から変えちゃおうか」的なノリが見受けられます。


何がそんなにめんどくさいんだ。


だいたい変な手続き踏んで,変な事態が生じたときに,どうしてくれるんだ。

ところがどうも,「最高の責任者は私です。」「民意を得ているんです」的なノリで全部の企画を通そうとしている敏腕プロデューサーがいるようです。


お前がとる責任なんて,政治的責任だけじゃないか。問題はお前が辞めた後でも既成事実としていろんなものが残ってしまうことなんじゃないか。特定秘密保護法案だって,「私が監視します。」って,お前がいつまでも監視し続けられる訳ないし信じてないし。「民意」「民意」って言うけれども,政治家って言うのはな,メジャーなグループだけじゃなくマイナーなグループのことも考えて動くもんじゃないのか。だいたい「民意」とか「正義」とか曖昧な言葉を並べる政治家は信用できないんだよ!

すいません,大人げない発言をしてしまいました。


お前が今決めたことで,実際に戦争に行くのはおれの子どもなんだよ!


すいません,もうやめます。











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