2014年5月19日月曜日

【短期集中連載】集団的自衛権の議論を知ったかぶりする方法②

それでは②の話に入りません。渡部です。


大事な前提を忘れてました。

前記事でも書きましたが、①必要性がない、という結論になれば、②以降の話は無駄だからです。

必要性のないものを考えるのは生産性がないからです。

従って、①の必要性は自分の中で決めた方がいいです。

「解釈変更は閣議でいけるよな?」と聞かれたら、「キミはそもそも集団的自衛権の必要性について具体的にどう思っているの?」と問い返してみて下さい。明らかにスマートです。

必要性の議論での注意点

「正義」「国際秩序」「愛国心」「平和ボケ」「日本を危機的状況に貶める」等,抽象的なワードを使っているとモテません。逆に鬱陶しがられます。

こういった言葉には,ある意味甘美な響きがあるので,賛成派も反対派も使いたがる人が多いのですが,その実,中身が何も伴っていないことが多いです。



甘美な言葉で期待や不安を煽る。

これは「議論」ではなくて「ナ◯スドイツの手口」です。



話は変わりますが,法律の世界では,「信義則違反」という主張があります。

民法上,当事者が合意すれば原則それは有効なんですけど,それでも,「権利行使や義務履行は,互いの相手の信頼や期待を裏切らないよう誠実に行わなければならない。」という法理がありまして,この信義則に違反すると契約等が無効になりますよ,というものです。

「そりゃあそうだろう」と思われる方が多いと思いますが,実はこの信義則違反の主張,業界では「最後の手段」とさえ言われており,「他の法的構成がどうしても危なっかしいときにこれを出さざるを得ない!」という感じで使われております。

理由はただ一つ。信義則の中身が抽象的でよく分からないから,裁判官が判決で引用したがらないからです。

これはあくまで一般論ですが,「信義則違反」しか法的構成がない訴状を裁判所に提出すると,裁判官と被告代理人が非常に冷めた目でこちらを見てきます。

それぐらい抽象的な言葉のみ並べるのは,「この人中身がすっからかんなのではないか。」というあらぬ疑惑を生むだけなので注意して下さい。



結局必要性はあるのか否か



これはご自身で考えてみてください。

できるだけ具体的に・できるだけ個別的に,がコツです。



「しかし私は軍事的な専門知識がないのですが…?」

大丈夫です。私も全くありませんし,普通の人はありません。

ただ,せっかく安保懇が具体的な事例を挙げて必要性を論じてくれています。

とりあえず,安保懇の言っていることを,ご自身の感覚で合っているか否か,考えて頂くことが「あ,こいつ知っているな」と知ったかぶるコツです。

注意して頂きたいのが,ここで変に「世界情勢は云々」とか「日中関係が云々」とか,中身すっからかんのワードを出さないことです,一瞬でバレます。



ただ、ブログ主の見解を申し上げますと、ない、です。

まず事例1については、ベトナム戦争を思い出して頂ければ良いと思います。

ぼくの世界史の知識によれば,ベトナム戦争は,第二次世界大戦後,日本がベトナムから引き上げた後,独立を求めるベトナムとフランスがインドシナ戦争をして,その結果フランスが引き上げちゃったもんだから,ベトナムが共産党主導の国家になること(旧ソ連側・東側になること)をビビって始めた戦争です。

ベトナム戦争において、アメリカはコテンパンに負けました。
理由はベトコンゲリラが一般人と同じ服装で普通に闊歩しているため、アメリカ軍が敵を定められなかった等々言われておりますが、まぁ見事に負けました。ボッコボコに負けました。

ベトナム戦争では,アメリカ軍の爆撃機が沖縄からも出ています。例の枯れ葉剤の戦闘機が出ていたかは知りません。


で、何が言いたいかというと,事例1では,「アメリカがベトナム戦争みたいに,東アジアで有事を起こした場合には,日本軍が最前線に立つ」ということです。

相手の船なんて調べ出したら絶対どんぱち始まるに決まってるしね。

ベトナム戦争では日本が戦場になることはなかったけど,事例1の場合,アメリカがよく分からない大義(例:危険な共産主義国を倒す!みたいな。)で戦争おっぱじめた場合,日本が関与することにより,「アメリカとどこかの戦争の舞台が日本になる」可能性ってゼロじゃないと思うの。

そう,アメリカの小間使いみたいなもんだよね。嫌じゃない?そんなの。

アメリカの戦争に大義なんて無い方が多いと思うよ。よく知らないけど。

ほら,イラク戦争だって,大量破壊兵器がイラクにあるって言っておきながら,戦争終わるまで見つからなかったからね。そんなもんだね。

私は別に「米軍の目が節穴」と言いたいのではありません。
私が申し上げたいのは、「他国の内部情勢を把握するのはアメリカのような大国であっても間違えることがあるので、日本はなおさら気をつけるべき。」ということです。

(日本が世界にスパイを送っているかは知りませんが、私のハリウッド映画の知識を前提にすると、CIAほどではないと思っています。)



あ,あと,「有事の際に米軍船で日本に帰還する日本人を守るため」とか安倍さん言っていたけど,普通に日本の船で帰るんじゃないかな, その場合。日本の自衛隊に船が無いのなら別だけど。




事例2なんだけど,正直な話,「そのミサイルはアメリカが迎撃すればいいんじゃないかな。」と思っています。

これは「無責任」とかそういう話じゃなくて,純粋に,「打ち上げられたミサイルがアメリカに到達する前に日本が撃ち落とすというのは,よほどのミサイルの精度と速度が必要で,アメリカから撃ち落とす方が時間的余裕があるから楽なんじゃないかな。」というものです。


事例3に至っては,「そもそもなんでそんなところに機雷をしかけられてるんだ。そんな紛争地帯通って貿易するアホな会社は果たして存在するのか。」と思っています。



事例4は大量破壊兵器の話と被るので省略します。


安保法制懇報告書の事例5も同様。

安保法制懇報告書の事例6は個別的自衛権。


何が言いたいかというと,安保懇の「必要性」は,ボクんとこ全然届いてないよ!響いて来ないよ!もっと頑張ってよ!もっと日本が窮地に陥っているということを説明してくれないと,「もしもある日おじいちゃんが突然自分の名前を歴史に残したくなったら」っていうコント見てるような気がしてくるんだよ!

言い過ぎた。


ということで,私自身は安保懇の報告書の必要性が全くよく分からないんですけど,「必要性あり!」と決断した方もいらっしゃると思いますので,次回は「現行憲法下で集団的自衛権は認められるか。」という次の話をします。


【次回】→週末までには。



(今日の一言)

ようやく法律の話ができる。



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