2014年8月29日金曜日

夢のない話

今日は仕事の関係で機嫌が悪いです。渡部です。


疲れてるのね私。少し休むわ。


全然話は変わるんですけど,最近,日弁連から,「弁護士実勢調査への御協力について」というお願いが何度も来ます。

ぼくの理解で要約すると,「最近弁護士も数が増えて大変になってきたから実勢調査をして内閣官房法曹養成制度改革推進室に参考資料として出したい」ということのようです。

で,ぼくの理解でそのアンケートの中身を要約すると,つまるところ「お前いくら稼いでんだ」ということを聞きたいようです。

質問項目は32。現在の日本の弁護士数は3万を超えています。集計する人の心が折れないことを祈るばかりです。


さて。これからいろいろ思うところをのたまおうと思うのですが,アンケートに協力しないで勝手にわめいてもアレなんで,アンケートには協力しておきました(平成26年8月29日付)。

なお,アンケートに協力しても何らの粗品もございません。ぼくを褒めて下さい。

なお,アンケート数が増えれば増えるほど,日弁連の事務局さんが過労で倒れる可能性があります。是非日弁連を応援してあげて下さい。




ここ数年,法曹人口(というか弁護士人口)が増え,弁護士業界の競争が激化し,様々な問題が取り上げられております。

挙げたらキリがないんですけど,

①弁護士増加により,収入激減
②新規登録弁護士増加にも関わらず雇用法律事務所がないため弁護士なのに就職難
③②のせいで,OJTが行き届かない新規登録弁護士がいる

などなど,もうこれ笑うしか無いという状況でございます。

それでぼくもこの世界でご飯を食べて少しは年月も経っておりますので,ごくまれに,後輩とかから上記のような相談を受けることがあります。

でも最近思うのが,ぼくの返事もだんだんテンプレ化してきたので,このブログにテンプレートだけ載っけておいて,それでも悩んでいる人はぼくに連絡すればいいと思いました(名案)。

ぼくは懇切丁寧に相談に乗るタイプですが,ぼくも体は1つ。コピーロボットもいないですし,何より最近相談受けるのも飽きてきました。

よし書いておこう。


【①収入が激減しました。】

大丈夫です。ぼくも激減しています。

だってそうでしょう。全体の統計的に弁護士の収入が下がっているのに,ぼくだけ収入が上がっていたら,ぼくが余程商才があるか,何らかの違法行為を行っているのかのどちらかです。

ぼくに商才はありませんし,違法行為もやる度胸がないので,ぼくだって経営苦しいですよ。

逆に経営苦しくない自営業者がいたら,すぐに雇ってもらう気まんまんです。

いいですか。

この世に楽をしている自営業者なんていないんです!

「でも私は,◯◯とか,いろいろ営業も頑張っているんです…。」という方もいらっしゃいます。

なるほど。頑張っているんですね。

でも正直に申し上げましょう。

あなたのその営業行為はみんなやっているんです。それこそキャリアが上の方々もやっているんです。

よく考えて下さい。同じ営業行為をしている弁護士で,経験年数の桁が違う。

依頼者はどちらをとるかと言ったら,ぼくが申し上げるまでもないでしょう。

「じゃあ先生(ぼくのこと)はどうなされているんですか?」という方もいらっしゃいます。

教える訳無いでしょう,あんた商売敵なんだから。

ぼくからしたら,「おたくのラーメン美味しいから,スープのレシピをこのノートに書いてくれないか」と言われているようなもので,何故そのような質問に繋がるのかが分かりません。

ぼくだって周りの先輩に仕事の相談とか経営の相談とかしますよ。

でも弁護士は自営業なんです。健全な事務所運営の下には,その人オリジナルの営業活動がその根本にあるのです。

その根本部分を教えろって,ぼくからしたら「貴様何者だ」と思います。

もちろん,法律のこととか,裁判手続のこととか,税金のこととか,経費のこととか,別に減るもんじゃないことはなんでも教えます。

でも,もう少し,自分が自営業者で,自分の頭で考えなければならないことを自覚すべきだと思うのです。


【②就職先がないっす】

独立すればいいじゃないか。

これ,相当身も蓋もない言い方なんですけど,弁護士は資格を有した人間で,基本的に独立採算できる気概がなければならないと思います。

現在は弁護士の職域も多様化し,社内弁護士や地方公共団体内で公務員として稼働する弁護士も現れました。それはとても良いことだと思います。

ただ,彼ら彼女らが通常の会社員と異なるのは,弁護士資格を持っていることです。

たとえ社長の命令だろうが,それが法に触れるのであるならば,自己がどのような役職についていようが一弁護士として対応すべきですし,「最終的には自分の資格を使って食っていく」という気概があるからこそ,社内でも相応の発言力が与えられているのです(たぶん)。

話を戻して,確かにいきなり独立って怖いのは分かるんですけど,逆に言えば,それぐらいの気概のない人は雇いたがらないですからね雇用する側の弁護士の常識的に考えて。

弁護士は一年目から,事務所への経済的メリットを求められるものだと思います(実際出来るかは別として)。

いつ独立するか分からない人に,将来の投資という意味を込めて給料払う弁護士は,よっぽど稼いでいる弁護士か,自営業者としての認識が薄い弁護士です。

弁護士の供給過多なんて,何年も前から取り上げられている話題です。ある程度就職活動して見通しが立たなければ,早めに独立の準備を並行してやるべきです。


【③OJTが無いっす】

OJTってなにそれ美味しいの?

何回も言っていますが,弁護士は有資格者であり,自身の技量を自身の能力で上げていくべき立場にいます。

もちろん,OJTが受けられるにこしたことはありません。そのような事務所に入った人は,思う存分その利益を享受すべきだと思います。

ただ,いわゆる即独が増え,OJTが受けられないと嘆いている方が大勢いらっしゃいます。

当会でも,チューター制度というものがありまして,ぼくも登録1年目の先生方に定期的に講義をするというお役職を頂いております。

で,これは初めて言うんですけど,ぼくはチューター制度導入に反対の立場でした(今更)。


理由はいっぱいあるんですけど,一番大きなものは,「教えてもらうなんて甘え」という考えがあったからです。

ぼくが弁護士になったとき,幸いなことに,就職先の事務所には大勢の先輩弁護士がいました。

ただ,元ボスから言われたことが,「まず自分で調べる。で,先輩のやり方を盗む。教えてもらうよりも,盗む。いいね。」ということです。

そう。弁護士は職人です。教えてもらったものなんて,屁の突っ張りにもなりません。

自分で考えて,あざとく,先輩のやり方を「盗む」ことが何よりの勉強になり,また,「盗む」という意識がなければ伸びないのです。

「盗む」というのは技術が要ります。相手はそれでご飯を食べている訳です。素直にひけらかすか分かりません。

最近はあまりやらなくなりましたが,盗む相手は同じ事務所に限りません。会合とかで一緒になった先生に,とにかく自分のことを気に入ってもらって,油断させて,それとなく聞いちゃうのです。「いきなり直電」とか,ぼくがよくやる技です。そう言えば今もやってます。

どう相手に取り入るのか。どうやって相手の様子を探るのか。これは通常業務でも用いる交渉技術にも繋がるので,即独の皆さんは,是非,躊躇することなく,盗もうとして下さい。

不思議なことに,弁護士は,「教えてもらおうとしている人」よりも,「盗もうと目を輝かせている人」の方に優しくなります。そうです。昔の自分を見ているかのようで懐かしくなるんですよね。覚えておいて下さい。



【最後に】

日弁連の実勢調査部隊の皆様。

若手を含めた全弁護士のために,様々な調査をありがとうございます。お金にもならないだろうに。

ただ,最近の弁護士供給過多の問題は,ぼくはかなり深刻なものだと思っておりまして,もっと力を入れて頂いていいと思っております。

具体的には,もうやられているかもしれませんが,「供給過多」の問題ですから,果たして現在「需要の方」はどうなっているのか,徹底的な調査が必要だと思っています。

それこそ全国規模のあらゆる団体に照会をかける必要があるので,ものすごいコストだと思いますが,一度それやらないと,これ,このままズルズル負のスパイラルが続いて,挫折者続出だと思います。

どうかぼくの会費を有効に使って下さい。



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