2014年9月26日金曜日

定期的にくる,昔話したい病

本を読んでいたらブログを更新したくなりました。渡部です。



これから何を書きたいのかよく分からない文章を書きます。お時間のある方だけお付き合い下さい。






大学3年生の秋,就職活動を始めました。

当時は就職氷河期がちょうど始まった頃で,大勢の学生が就職説明会に押し寄せていました。

私も参加しました。しかし,司法試験を目指しました。

私は,人に,このときの心境の変化を,「人ごみが嫌いだったから(笑)」と茶化して説明しています。

でも本当は違います。



子どもの頃,私は自意識が過剰だったのでしょう,本気で「自分は人とは違う特別な存在だ」と思っていました。

それが段々年齢を重ね,本当は自分には何も無いのではないか,と思うようになりました。

はっきり言えば,自分に自信がなかったのです。

就職活動半ばで自信を喪失する学生は大勢いるでしょうが,私は就職活動前からそのように考えており,就職説明会に一度行っただけで,「あぁ,やっぱおれ無理だわ」と思いました。

正直に言えば,「司法試験を目指しているという身分があれば,それで自分を保てていられる」と思っていたと思います。

ロースクールに行きたいと土下座したときも,親は本当はそんな心情を察していたのかもしれません。甘い親です。

私が司法試験を目指したのは,本当は「逃げ」だったのかもしれません。



親に土下座をする前,夜,一人で散歩をしながら,司法試験を目指すか否かを相談しました。2人の人間に電話で相談しました。



1人目は高校時代からの親友Sです。

司法試験を考えている,と伝えたら,彼はしばらく無言になりました。

当然です。高校時代の成績も,素行の悪さも,全て知っているSです。

特に彼はリアリストなところがあり,ぼくの能力も知っているため,気軽に「頑張れ」なんて言葉はかけられなかったのでしょう。

でも彼は言いました。

「源ちゃんがこういう話をするときって,だいたいもう自分の中で決めてるでしょう?おれとか誰が何を言おうが,たとえおれが止めても,たぶんやっちゃう人じゃん。おれにできることはないかもしれないけど,これから辛いこととかあったら話聞くから。そのフォローはしてあげるよ。」

ぼくが司法試験という壁を登ろうと決意できたのは,Sの言葉のおかげです。




2人目は,付き合っていた彼女です。

彼女は無条件に賛成しました。こいつはアホかと思いました。ただ,こう言いました。

「源ちゃんなら絶対出来る!絶対やるべき!」

その後も,彼女は,ぼくが合格するまで一貫してこう言い続けました。

彼女は今,ご飯を作って,家でぼくの帰りを待っています。


司法試験を目指すと決めた後,ゼミの仲間が死にました。

ぼくよりずっと優秀な彼女がなぜ死ななければならないか分かりませんでした。



ぼくが学校も行かずフラフラしている時期から,「源ちゃんはかっけーよ。絶対なんかでっけーことやんよ。」と言い続けてくれた地元の友達が事故で死にました。

ぼくよりずっとかっこよくて,人望もあった彼が,なぜ電柱に当たって死ななければならないのか分かりませんでした。

今でもその電柱の前を通る時は,一礼しています。



ぼくよりずっと優秀な人達が,ロースクールを辞めて行きました。

贔屓目無しに素晴らしい才能を持った人達です。残念でなりませんでした。それ以上に,正直に言えば,この人達が抜けて行って,自分が残って行くことができるのか,自分のことが不安でした。



司法試験に受かりました。

あれだけ欲しかった自信が,芽生えませんでした。
自分でも驚くぐらい,合格しても自分が変わりませんでした。

何も特別なことはありませんでした。

それは,弁護士になっても,自分が独立しても。





全く分かりませんでした。なぜ自分には何も無いのかが。いっぱい,いろんな人とバイバイしてきましたが,どうしてその人達はいっぱい,いろんなものを持っているのかが。

羨ましいとは思ったことがありません。人のものは欲しがらない性格なので。でも不思議でした。

ただ,自分には,周りに人がいる,ということだけは最近分かりました。

なんという素晴らしい人達。この人達がいなければ,おれは司法試験に受かることもないし,学校にも行かなかっただろうし,違法なお店のボーイさんになっていたと思います。



急に彼らに会いたくなったので,書きたくなりました。我ながら良い人生です。

皆様もどうか周りに人がいることを想って下さい。

そして,その末席に私を加えて頂けるのなら幸いです。


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