2015年6月6日土曜日

学生時代憲法が苦手だったブログ主がとある憲法学者を追ってみた。

今日は頭を使わない回です。渡部です。


今日はブログを更新するつもりはなかったのですが,まずはこちらをご覧ください。
【自民 参考人選びは政府与党方針を踏まえて NHKニュース】
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150605/k10010104141000.html


リンクを見ていただくと分かりますが,先日の衆議院憲法審査会で,与党推薦の学識経験者が「安保法制は多岐にわたっておりますので,その全てというわけにはなかなかならないんですが(中略)集団的自衛権の行使が許されるという点につきまして,私は『憲法違反である』という風に考えております。」とし,

安保法制は集団的自衛権の行使を許容する可能性がある
②(安倍政権以前の)従来の政府見解の基本論理の枠内では集団的自衛権の合憲性は説明できない
よって,安保法制は憲法違反である。

と言っちゃったもんだから,佐藤という議員さんが,

(一部抜粋)
佐藤国会対策委員長は,「私の責任でもあり,不徳の致すところだ。緊張感の欠如と言わざるをえず,よく注意すれば,未然に防げたはずだ」と指摘しました。
(抜粋終わり)

と謝りました。




なにやってんだこいつら。「防げた」とかなに考えてんだこの独裁国家。



イエスマンを探し出し,カンペを国会で読ませるみたいな作業が,現在,どっかの国の国会で行われているらしいです。すごい。小学校の学級会でもこんなことしないぜ。


なお,不思議なことに,参考人である小林節先生(慶應名誉教授)が,

「(集団的自衛権を許容する法案,すなわち現在の安保法制を)これは『戦争法』だ。

と言い切っていることは,何故か全くニュースになっていません。不思議だ。報道規制でもかかってんのか。


さぁここで問題になるのが与党推薦の長谷部恭男先生(早稲田大学法学学術院教授)です。

審査会後の与党の動きを見ていると,「こいつ,なんてこと喋りやがる!」とか「誰だよこんなやつ呼んだの!」みたいに,なんか可哀想な(失礼)扱いになっています。

ぼくは一時早稲田大学に在籍していたことがありますが,長谷部先生の授業は受けたことがありません。たぶん。


そこで今日は,長谷部先生に迫る緊急企画,「今後たぶん国会に呼ばれない男,長谷部恭男」を,プロジェ◯トX風に迫ってみることにしました。実際に。


【①予想】

ぼくは長谷部先生の本を読んだこともないし,今回の審査会の動画で初めてお話を聞いたのですが,これだけでは情報が足りません。

しかし,今ある情報から,長谷部先生の性格を推測してみます。

与党がこれほど慌てふためいているということは,おそらく長谷部先生は与党の予想を裏切る行為を行ったということです。

そう,ここまで言えば,みなさんお分かりですね。

たぶん,「押すなよ!押すなよ!絶対に押すなよ!」と言われると押してしまうダチョウ倶楽部的な方だと予想します。


【②事前調査】

この世でものすごい辞書があるのをご存知でしょうか。ぼくはそれを使って長谷部先生のお人柄を調べてみることにしました。

どーせ不思議な異端なところで学問を学んd




「芦部一門」じゃねーか!



☆説明しよう☆
「芦部一門」とは,憲法学者芦部信喜(1999年にお亡くなりになられています。)に師事した学者一門のことをいう。芦部信喜先生は,日本国憲法を学ぶ場合,絶対に名前が出てくる大御所どころの騒ぎじゃない大御所で,プロ野球で例えるなら王・長嶋クラスと言っても過言ではない人なのである。弁護士じゃなくても,法学部出身者は必ず名前を知っている人なのである。
☆説明終わり☆



違った。全然ダチョウ倶楽部的な人じゃなかった。

これは大変失礼なことを言ってしまった。ダメだ。やはりネット調査や推測では不十分だ。一次情報の大切さを身にしみて分かった。よし,お詫びに長谷部先生の本を買おう。


【③捜索活動開始】

長谷部先生の著書を購入するためには資金源が必要です。

そこで,ぼくは,おもむろにパチンコ屋さんに入り,ガンダムの台の前に座りました。

20分程タバコを吸いながらぼーっとして,事務所に戻ったとき,何故か財布の中身が5000円増えていることに気がつきました。

これは僥倖です。これだけあれば長谷部先生の本を買うことができます。ぼくは近くの本屋さんに向かいました。

なお,ここでパチンコ負けていた場合,本企画は終了する予定でした。

本屋で法律コーナーに行って,ウキウキしながら憲法の本棚を見てみたら,ない!長谷部先生の本が置いていない!

なんなの?長谷部先生の本はマイナーなの?それとも時の人になったから売り切れたの?

ネットで買おうかとも思いましたが,ぼくは明日そういう気分になっているかわからない秋の空のような人間なので,今日,欲しい,今日絶対手に入れる。そう決意しました。


川崎の事務所から東京の丸善丸の内本店へ向かいました。

ここはぼくが学生時代からよく使っている,本の在庫が半端ない本屋さんです。
専門書の数も充実しており,ビジネスマンのみならず,学生さんご用達の本屋さんだったりもします。

なお,この写真を一人で撮っているぼくを,若いカップルが「たぶんあの人お上りさんよ」みたいな目で見られました。ぼくがイケメンじゃなかったら精神的ダメージで死んでいたかもしれません。


この店の本棚はすごい大きくて,一番上の棚はなんかハシゴみたいなのに登らないと取れないぐらい広いんですけど,見つけました。長谷部先生の「憲法第6版」(新世社)

一冊だけ本棚にあったんで,速攻小脇に抱えました。確保。

せっかくなんで,他2人の参考人の先生の基本書的なのないかなーと探していたら,若い私服の男性二人組(おそらく学生。年齢的にロースクール生の可能性もあり。)

男A「あ,あれだぜ,長谷部っての。」
男B「長谷部?あぁ,違憲って言った人か。」

長谷部先生が他の先生と共著で書いた本棚の本を指差しながら,ぼくの左隣で会話を始めました。

男A「結構ニュースになってるんだぜ。」
男B「そうなんだ。」

これは一般の方の本件に対する捉え方をリサーチする二度とないチャンスでは?

しばらく二人を尾行することにしました。

男A「それにしてもすげえよな,違憲って言い切っちゃってさ。」
男B「そういうもんなのかね。」
男A「どういう人なんだろうな。(一部聞き取れず)よっぽどだぜ。」

なるほど。一般の方からするとそういう見方なのか。法学部出身者は,あの方は当たり前の話をしただけなんだけどね。集団的自衛権の行使の「合憲性の問題」と「必要性の問題」は別個の問題だしね。難しいよね。

男A「ほら見ろよ。長谷部の本が並んでいるところの,棚のあそこだけぽっかり空いてるじゃん。あれきっと,話題の人がどんな人だろうとか思った奴が買ってんだぜ,たぶん。」


その通りだ。そしてそいつは君たちの真後ろにいる。


これ以上ディスられるとぼくのライフがゼロになるので,お会計して帰りました。


ゲットだぜ!

ちゃんと買ったことを示すために領収書を撮ったら,もう一冊,法律には全然関係ない本を買っているのがバレていました。

ちなみにもう一冊買った本は中村文則さんの「あなたが消えた夜に」です。ぼく好きなんですよこの人の作品。「何もかも憂鬱な夜に」とか。

あ,ちゃんと長谷部先生の本は読みました。

本の内容を書いちゃうとネタバレになっちゃうんで(てへぺろ☆)詳細はふせますが,ドキドキワクワクのミステリーというよりかは,どちらかというと法律の基本書みたいなものでした。ラストにドンデン返しとかはありませんでした。

ただ,印象としては,ロジックをいじくるというよりかは,今ある憲法をとりまく状況を緻密に調べ上げて,わかりやすい日本語で,しかも論点も網羅する,という良本でした。初級者から中級者向けをターゲットにした本だと思います。

調査能力が異常に高い方の気がするので,他にポイントを絞って書かれた本もあったので,何かを調べるときに,今度当たってみようと思いました。




すいません,やっぱりこれだけは言いたいんですけど,この本の61ページはすごいおもしろいです。ぼくはこのページの記述を見ただけで,この本を買った価値はあったと思いました。

その記述自体は全くおかしくもなんともないんですが,今回の一連の騒動と合わせて考えると,ぼくは事務所で声を出して笑いました。

有意義な休日だった。




(61ページに関するヒント)

「安倍内閣」という言葉が出てくる。














にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村