2015年9月27日日曜日

二回試験

皆様こんにちは。日曜日も仕事をしている者です。


息抜きにブログでも更新して,また仕事に戻ります。というわけで今日は雑談です。


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皆さんは,人に騙された経験はございますでしょうか。

ぼくはあります。

「弁護士になるためには司法試験に合格すればいい。」

そう思われている方も多いのではないでしょうか。

ところがこの日本語は不正確です。まぁぼくはもともと検察官志望だったので,「検察官になるためには司法試験に合格すればいいんだ。」と思っていました。


これをなるべく正確に表現すると,
「弁護士になるためには実務修習できちんとした成績を残した上で,二回試験に合格すれば弁護士登録できる資格を得られる」

です。


そうです。司法試験に合格したら終わりではないのです。

ぼくは大学時代法学部でしたが,当時は「六法」というのがなんの法律を指すのか本気で分からないぐらい学校に行かない子だったので,

「ねえお母さん。」
「どうしたの息子。」
「おれ,この間,司法試験に合格したじゃない?」
「うん,だからあんた早く引越しの準備自分でしなさい。」
「なんか,『二回試験』てのが1年後にあるらしくて,それに落ちると弁護士なれないらしいんだ。
「あら,そうなの。大変ね。」
司法試験でさえあんなに大変だったのに,また試験がある。おれは人生で何度試験を受ければいいんだ。
「いいから早くレオパレスの契約してきなさい。修習に間に合わないから。」

これぐらいの感じでした。


簡単に言うと,司法試験に合格すると,「司法研修所」という学校みたいなところに行くことになり,全国各地の裁判所に配属され,最後に「二回試験(正式名称は司法修習生考査)」という卒業試験に合格しなければいけないのです。

ちなみに,配属先の裁判所は,司法研修所が希望を聞いてくれるのですが,本当に希望を聞いているのか分かりません。

やはり東京や大阪近郊の裁判所が人気です。弁護士の就職活動とかも,東京や大阪といった弁護士事務所がいっぱいある地域から離れると,大変みたいですからね。

そういった事情により東京等がすごい人気で倍率が高いため,希望のどこかに地方を書くと,強制的にそこに飛ばされるという都市伝説がありますが,それは都市伝説です。

「ねえお母さん。」
「なんだい息子。」
「配属先の裁判所の希望を聞いてくれるらしい。」
「そうなんだ。やっぱり横浜(実家)に近いといいね。」
「うん。「研修所に一任」というのもできるらしいけど,せっかく希望を聞いてくれるので,希望を出しておきました。」
「え?もう出したの?」
「うん。」
「どこにしたの?」
「えーとね,あ,このメモに書いてある順番で出した。」
「第一希望は横浜なのね。」
「地元だしね。」
「第二希望が東京なのは何故なの?」
「横浜から近いしね。」
「ねえ,お母さん,こういうのよく分からないんだけど。」
「どうしたの?」
普通,東京が一番倍率が高いから,それを第二希望で出してももはやなんの意味もない気がするんだけど。
「はっ!」
お母さんはあなたの先行きが不安でならないわ。でも,第四希望の静岡は分かるわ。」
「新横浜から新幹線で一本だしね。」
「ただ,第三希望について,お母さんは疑問があるわ。」
「なに?」
「なんで第三希望が鳥取なの?」
「ハチミツとクローバーでさ,鳥取砂丘の場面あるじゃん。」
「あるわね。」
砂丘が見たくて。
もういい。一年間ずっと砂丘だけ見てきなさい。



配属先は静岡になりました。砂丘はまだ見れていません。


なんの話でしたっけ,そうだ,二回試験の話だ。


そんなわけで静岡地裁に配属された私は,一生懸命修行して,無事,二回試験に合格し,今に至るのでした。

ちなみにこの二回試験,難しいです。

どれぐらい難しいかというと,司法試験に合格した人が普通に落ちるぐらい難しいです。

考えられない。結構な割合でやられます。

だからたぶん司法試験問題が漏洩したとしても二回試験で(以下略





(今日の一言)

そろそろ二回試験の時期でしょうか。

修習生の皆さんは胃がキリキリしていると思います。

ぼくも経験したのでわかります。

二回試験結果発表前,事務所に遊びに行った際,ボスが,
「これを見ろ。」
「これは年賀状のデータですね。」
「事務所で出す年賀状だ。一番下に書いてある名前を見ろ。」
「これはぼくの名前ですね。」
「もう発注した。お前が二回試験に落ちたら大変なことになる(笑)」
「なにしてくれてんですかあなた。」


という,今だから笑えるコントを繰り広げたので,分かります。

こういうとき,何を言っても胃はキリキリするので,アドバイス的なことは何もないのですが,一つ確実に言えることがあります。

二回試験の結果で,その後が大きく変わる人はいません。

ぼくはいろんな人を見てきましたが,本当にそうです。

それだけです。


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