2018年8月18日土曜日

出前授業の正しいやり方

目指せ定期更新ブログ!渡部です。


お盆休みらしい何かをとれなかったので,今週末ぐらいは寝て過ごします。
何ならこのブログ更新も寝ながら書いてます。


どうでもいいんですけど,最近お金にならない仕事しか来ません(切実)。
お金にならない仕事ランキングのトップが,法教育委員会絡みです(恨み)。

神奈川県弁護士会には法教育委員会委員会というものがありまして,私もそこに(半強制的に)配属されています。
法教育委員会は,法や司法制度の仕組みをうんたらかんたら,一般市民の方にうんたらかんたらという高尚な目的をもっていますが,私はよくわかっていません。

法教育委員会は,様々な活動を行っていますが,その中でももっともめんどくさいやりがいがあるのが,「出前授業」というやつです。

「出前授業」とは,簡単に言えば弁護士が学校に授業しに行くサービスなんですが,何が困るって,要請した学校側も,弁護士に何を喋ってもらえるか把握していないまま申し込んでいるということです。これは仕方ない。当会の説明不足である。

現場レベルで言うと,「学校側が突っ込んだ授業を期待しているけど,弁護士に遠慮して中途半端に終わってしまう」ことが多く,私も毎回苦労していました。

若い頃は試行錯誤していましたが,今はある程度自分の「型」というものができたので,それなりに評価して頂いておりまして,法教育委員会には出席していないけど出前授業要員として同会に籍を置かれている状態です。

ただ,本当に法教育委員会は私の授業内容を把握した上で出前授業を振っているのか分からないので,赤裸々に私の授業方針をここに記しておこうと思います。

※この授業内容でも良いという学校さんは,私を指名して出前授業を申し込んで下さい。費用はだいたい1万円ですが,法教育委員会に進言して,100万円ぐらい私に渡しても法律上も道徳上も何ら問題がないことを付言しておきます。



①ノートは取らせない

これは絶対必要条件です。
生徒さんの立場になってみて下さい。
普段の授業とは違う,弁護士が講師に来る特別授業です。

成績に関係がないので気が抜けているに決まっています(確信)。

ノートを取るのは記憶をするための補助策です。

人間が記憶をする方法は2種類ありまして,①頭(脳みそ)で記憶する方法と,②心(はーと)で記憶する方法があります。

①の方法は,記憶できる容量は非常に大きいのですが,忘れやすいというデメリットもあります。

②の方法は,記憶しにくいというデメリットがあるのですが,一度記憶するとものすごく忘れにくいというメリットがあります。

生徒が普段行っているのは,①の記憶方法であることが多く,同じ授業をしていては,わざわざ弁護士が呼ばれる意味がありません。
そこで,私は②の記憶方法をとらせる授業を行います。その必然として,ノートは取らせません。ノートを取ると記憶したつもりになってしまいますが,あらかじめ「ノートと筆記具をしまいなさい。」から始めると,生徒の脳みそが違う働き方を始めまして,ぼくの話を聞いてくれるので,そうやっています。


②レジュメは作らない

レジュメは基本的に作りません。

レジュメがあると,人間は不思議なもので,先生の話よりもまずレジュメをざっと目を通します。
その後の態度も,「レジュメの話をするはずだ」という姿勢で話を聞くので,よほど複雑な話をしない限りは,レジュメは作らないで授業に臨んでいます。
しかも下手にレジュメを作ると,レジュメにメモを取ろうとするので,下手なレジュメは無い方が吉です。


③話す内容も当日お客の顔を見て決める

私の授業の最大の特徴がこれです。

例えば今,「セクハラ・ブラック企業に関する授業をして欲しい」という依頼を受けていますが,担当の教諭の方には,「当日,違う話をしてもいいですか」と念のため承諾を得ています。

なぜこんなことをしているかというと,あらかじめ「セクハラ・ブラック企業の授業をしてもらうよ」と教諭の方が告知をしていると,生徒がその頭になっていて,(場合によっては)最初から興味を示さず,授業がしにくいというデメリットがあるのです。

ぼくが出前授業する最大の目的は,「弁護士の話に興味を持ってもらう」だと思っています。弁護士の仕事でもなくて,ぼくの話でもなくて,上手く言えないけど,「弁護士がこんな話をそう言えばしていたな」という記憶が心に残れば,その出前授業は成功だと考えています。

そのため,ぼくの授業で一番最初にやることは決まっています。




客いじりです。




だいたい生徒さんに「好きな芸能人は」「最近の悩みは」とか聞いて,そこから(その反応から)授業内容を高速で組み立てます。

こんな感じです。

例①
ぼく「君は何か悩みない?」
生徒「実は好きな娘がいます。」
ぼく「そうか。フラレてしまえばいいね。
生徒「ひどい。」
ぼく「何を言っているんだ。失恋が一番人間が成長するんだ。いいか,女性を口説く方法は依頼者を説得する方法と似ている。例えば・・・(以下略」


例②
ぼく「この授業はどんどん君たちを当てる方式をとる。」
生徒一同「えー!」
ぼく「但し,君たちに「パス」を一回だけ認める。」
生徒一同「はーい。」
ぼく「じゃあ君。今日どんな話を聞きたい?」
生徒A「パス。」
ぼく「オーケー。パス一回使えるからね。じゃあ次・・・誰にしようかな・・・じゃあ君。」
生徒A「また私!?
ぼく「パスはさっき使ったからもうダメ。」
生徒A「ずるくない?」
ぼく「大人を信じた君が悪い。大人はだいたい悪いからな。






おい大丈夫かこんな授業やりまくっていることをワールドワイドウェブに晒して。




いつ法教育委員会を除名されてもいいぜ(失うものはない。)。

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2018年8月11日土曜日

息子,入院

書いちゃダメ。深夜に恋文,準備書面。渡部です。

夏休みの予定がないので,ブログでも更新します。
この夏の思い出でも投稿しておきます。


【発症初期】
このたび,1歳半になる息子ですが,保育園より,「発熱したから強制送還」というありがたいご連絡を頂きましたので,妻が仕事を切り上げて迎えに行くことに。
私が家に帰ったら,息子は38度超の熱の中,三輪バイクでびゅーんって家の中を爆走していました。
だったら保育園行ってろよこのやろうとは微塵も思わない菩薩のような心を持っている私は,息子の相手をして遊んであげていました。

まさかそれがこんな長期化するとは思わなかったから。


【発症5日目(病名判明】
息子の熱が下がりません。39度前後から一向に下がりません。このままだと我々両親の仕事がはかどらない息子が可哀想だと思い,かかりつけの小児科に連れて行きました。

先生「・・・目が赤いね。」
妻「そうなんです。昨日まではそうでもなかったんですが,今朝から充血しているんです。」
私「そうらしいです。
先生「・・・BCGのあとが真っ赤に腫れ上がっているね。」
妻「・・・!!!やっぱり・・・!」
私「・・・!??なんで通じ合ってんの?)」
先生「これは,川崎病である疑いが極めて高いです。」
妻「・・・あぁ・・・」
私「しっかりしなさい。なってしまったことを悔やむのではなく,これからどうするかが大切だ。」
先生「お父さんのおっしゃる通りです。」
私「仕方ないんだ。おれが川崎で働いていたり,息子と一緒に川崎に行ったりしている以上,工業地帯である川崎病に罹患する可能性はゼロにはできない。」
先生「お父さん,違います,川崎病の「川崎」は地名じゃないです。」


☆せつめいしよう!☆
「川崎病」とは,1960年代に,川崎富作先生が発見した病気(というか症状)のことだ!
発症原因は未だ不明で,症状としては高熱が続くことにより,血管に炎症が起こり,冠動脈障害が起き,心筋梗塞の引き金にもなるという病気である。
但し,今は治療法がある程度確立されているため,早期に発見できれば,さほどリスクのある病気ではないとも言えるらしい(以上主治医からの説明を理解した限界。)。
☆せつめいおわり!☆


妻「知ったかぶりしてないでこの子の心配をしてください。」
私「はい。」


というわけで,大きな病院への紹介状を書いてもらい,その足でソッコー入院手続をし,入院となりました。

この時点でぼくの夏休みは消滅しました。


【入院期前半】
川崎病は主に幼児がなりやすいため,我が子の闘病日記をネットに公開している親御さんがたくさんいましたので,結構参考にしました。

実際入院したら,息子がぐったりして点滴の管通されて,エコー測るためのパッヂつけられて,身体中からいっぱい線が垂れ流されている。ご飯も食べられないから管から栄養を流されている。
息子のそんな姿を見たのは初めてなので,正直非常に辛かったです。
入院時の検査の結果,合併症もなく,冠動脈障害も見当たらなかったのが不幸中の幸い。
でも,正直代われるものなら代わってあげたい。
私「いや,これ,代われるものなら代わってあげたいわ。」
妻「そうね。私もよ。」
私「こいつはわけもわからずこのベッドに閉じ込められている。可哀想すぎる。」
妻「私涙出てきた(涙もろい)。」
私「入院の辛さを・・・入院の辛さ・・・入院の辛さ?」
妻「どうしたの?」
私「そう言えば,おれ,今まで入院したことねえや。」
妻「え?そうなの?」
私「救急車で3回運ばれたことはあるけど,全部外科的なやつだから入院したことねえや。入院って辛いの?」


妻は口をきいてくれませんでした。



【入院期後半】
投薬治療がかなり順調に進み,運良く,予定していたスケジュールよりも早い退院が見込まれました。
息子は管もとれて元気はつらつ。
見舞いに行くと遊べ遊べ,甘えさせろ甘えさせろの大合唱です。

息子は1歳半なのですが,基本的に言葉が喋れません。
喋れることばは「あ!」と「ま!」です。

「あ!」=ここにある。ここにあった。ここにあるぞ。等々,存在を知らせる言語
「ま!」=指を指しながら,あれをしろ,これをしろ等々,指示を出す言語

ただ,この「あ!」と「ま!」はかなり正確に使えるようになっていますので,ある程度のコミュニケーションはとれます。
周りから見るとどうしてコミュニケーションがとれているのか分からないと思うので,一例を翻訳してみます。

子「あ!(おい,あそこに夕飯の配膳係がいるぞ。)」
私「うん。順番に来るから待っていようね。」
子「あうー泣(なぜ配膳係のやろうはおれのとこから運ばないんだ?ああん?)」
私「順番だから。順番だから。」
子「あ!(ようやく夕飯が来た!飯だ!)」
私「よし食べよう。いただきますは?」
子「(両手を合わせて,ペコリー)(いただきます!)」
私「偉い偉い。さて何から食べようか。」
子「ま!(白米寄越せ。)」
私「そうだね。お前は白米が何よりの好物だからね。」
子「(もっきゅもっきゅ)」
私「次はおかずを・・・」
子「ま!(白米を寄越せ。)」
私「いや,バランス良く食べて欲しいんだけど。お前さんは本当に白米が好きだね。」
子「(もっきゅもっきゅ)」
私「さぁ白米のなくなったし,いい加減おかずを食べよう。」
子「ま!(いいから黙って白米を寄越せ。)」
私「いやもうないから・・・」
子「ま!(いいから黙って白い固形上の例のブツを寄越せ。
私「えーと,すいません看護師さん。病院食ってお代わりできますか?」
看護師「すいません,病院食なんでお代わりはちょっと・・・
私「ですよねー。おい,ダメだって。」
子「ま!」
私「いいか?この世には白米以外にもおいしいご飯というものがあってだな,」
子「ま!」
私「農家の人達が丹誠込めて作ったこの野菜を残すということはね,」
子「ま!」
私「生物への冒涜と言っても過言ではないのだから,」
子「ま!
私「この栄養満点の病院食を残さず食べ」
子「ま!
私「ま!(黙って食べんかいワレ!
子「ま!(いいから白米だ!
私「ま!(お願いだからおかず食べて下さい!




【退院】
経過が順調で,一週間ほどで退院できました。
以下,余談です。

川崎病
全身の血管の炎症を起こす病気で,発症原因は分かっていませんが,再発することもあるらしいです。
次の症状があったら受信するように病院から言われました。
・5日以上続く発熱
・目の充血
・唇の赤み,舌の赤み・ブツブツ
・全身の発疹
・手足の指のはれ,手のひら・足の裏の赤み
・首のリンパ節のはれ

言われてみるとうちの子はこの全ての症状があったので,早めに気づけてよかったです。
川崎病の後遺症は,心臓の血管に出来たこぶの中が血栓により詰まることで起こると言われているらしいので,早めの発見,早めの治療が大事ということのようです。
小さいお子さんがいらっしゃるご家庭では気をつけてみておきましょう。ぼくはこの病気知らなかった。

なお,退院後もアスピリンを飲み続けなければならないようで,アスピリンは血をサラサラさせる効果があるらしいです。
頭部を打って内出血とかすると大変なので,しばらく気をつけてみておこうと思います。


付添い入院か,預け入院か
入院時,「付添い」にするか「預け」にするか聞かれました。
「付添い」は必ず24時間親族がベット脇にいること(簡易ベットあり。)。「預け」は規定の面会時間外はベット脇にいてはいけない(病院側に任せる。)入院のこと。
私の場合は幸運にもどちらか選べる病院でした。で,「預け」にしました。

一長一短あると思いますが,今の素直な感想は,預けにして正解だと思っています。
同じ病気で付添いを選択したご家族が同じ病室にいらっしゃいましたが,身体というか,メンタルが持たないと思いました。あれは付添者が逆に辛い。

病院によって入院の仕方にもいろいろあるようなので,よく話し合ったらいいと思います。

さて。







大魔神(息子)が昼寝から起きてしまったようだ。

本当の地獄はこれからだ・・・


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2018年6月23日土曜日

私とモディと和解

法律ではなく,人々の良心によって事件が解決することもある。渡部です。


最近,規模の大きな事件を,弁護士がチームを組んで処理をするということがあり,私もそのチームに入り,仕事をさせて頂きました。

事件自体は,過日,(法律上は)終結したので,ようやくこの記事を書くことが出来ます。

※事件は法律上終わっても,事実上継続するということはよくあります。我々法律家にできることに限界はありますが,出来うることはやれたと思います。後は,無事,事件が「事実上」無事に終結することを祈るばかりです。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

で,規模が大きな事件だったので,私もいろいろやったのですが,その中の一つに,有名ショッピングモール「モディ」さんとの交渉がありました。

具体的な内容を詳述するわけにはいかないのですが,簡単言うと,「モディさん,金銭面では泣いてくれ。その代わり,法律上我々に出来ることはなんでもします。(ん?今なんでもするって言った?)」という内容の提案をのんで頂くというミッションです。

モディさん側からすると,あまりにメリットの無い内容なのですが,モディさん(付言すれば,モディさん以外の関係者も)非常に誠実かつ大人な対応をして頂き,事件を終結することができたという内容です。

ただ,このミッションを行う上で,大問題が一つありました。

この事件以前に,私が,個人的に,モディさんに敵意を持っていたということです。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

簡単に説明すると,私は以前,「思い出話」という記事を書いたことがあるのですが,10代の頃,戸塚にあったマルイにものすごい通っていて,思い入れがありました。

しかし,戸塚のマルイは業績がふるわずに閉店。その跡地にはそのままモディが入りました。

私はこれを,「モディがマルイを追い出した。」と捉えていたので,「愛しのマルイを追いやった悪いモディ」という認識をしていて,モディで一回も買い物をしてたまるかというスタンスで生活を送っていたのです。

但し,これは仕事です。ビジネスです。私は感情に流されて事件処理をしてはいけません。あくまで,事件終結のため,ひいては関係者全員の利益のため,モディとの交渉も円滑に進めなければなりません。

実際にモディと交渉する前は,深呼吸をして自分を落ち着かせていました。決してキレてはいけない。モディに落ち度はない。モディとの交渉を終えなければこの事件は終結しない,と。

ところがふたを開けてみれば,モディの人はすごく誠実に対応してくれて,こちら側の事情を最大限に考慮してくれて,考えられないぐらい迅速に対応してくれました。

そのような折り,モディサイドとこんな雑談が始まりました。

モディ上層部「分かりました。そのご提案で話を進めましょう。」

ぼく「ありがとうございます。」

上層部「ところで渡部先生,ブログを見ました。」

ぼく「なんのブログです?」

上層部「渡部先生の渡部ログですつまりこのブログ。」

ぼく「!?

上層部「いやぁ,マルイの記事(上記「思い出話」)読ませて頂きました。嬉しいです。」

ぼく「

上層部「という訳で,書面については後日FAXします。本日はありがとうございました。」

ぼく「ありがとうございました。」



おかしい。モディはマルイを追いやった敵である。なぜモディ上層部がマルイの記事を見て「嬉しいです。」とか言うんだ?なんならあの記事はモディに対して刺がある感じに仕上げている。いったいどういうことだ?


後日,そのFAXが来たので,モディの人に電話をしました。


ぼく「FAXありがとうございました。今,決裁にあげてます。」

上層部「ありがとうございます。」

ぼく「ところで,これで我々とモディさんとの間で,一区切りがついた形になっていますよね?」

上層部「え?はい。」

ぼく「聞きたいことあるんですけど。」

上層部「はい?」

ぼく「モディさんとマルイはどういったご関係なんですか(原文ママ)」


あたかも自分の娘が連れてきた男に対して聞くような台詞をモディの偉い人にぶつけてみました。

上層部「え?ご関係?」

モディのこの反応は至って当然なものだと思います。

ぼく「今までぼくは,モディは戸塚マルイ店を乗っ取った悪いやつだと思っていました。ただ,Tさんの対応を見ていると,どうもモディが悪いやつとは思えない。これは何かただならぬ関係があると思いました。」

上層部「なるほど。」

ぼく「正直に今話せば許してやらないことはありません。」

上層部「えっとですね,うーんとですね,私の名刺,「エイムクリエイツ」っていう会社になっていますよね。」

ぼく「そうです。モディではないということは,ぼくは実はずっと気がついていました(電話だけどドヤ顔)。」

上層部「で,エイムクリエイツって,マルイグループの傘下の会社なんです。要は,モディとマルイは同系列の会社なんです(弁護士に対して分かりやすい説明)。」

ぼく「あれか?兄弟みたいなものか?」

上層部「そうです。ちなみに先生がおっしゃるマルイ戸塚店は,潰れたというよりは,モディに『リニューアル』しただけで,別に乗っ取ったわけではございません。

ぼく「え?」

上層部「もっと言えば,わたくし個人的なことで大変恐縮ですが,わたくしは戸塚マルイ店の立ち上げプロジェクトに参加していたメンバーでした。戸塚マルイ店は大変思い入れがある店舗でして,そのような店に,先生のようなお客様がご来店頂いていたことを,記事を拝読させて頂いて大変嬉しく思ったのです。」

ぼく「ということは,ぼくがモディを今まで敵視していたのは,単なる・・・」

上層部「勘違いでございます。」

ぼく「ということは,ぼくが敢えてモディでの買い物を意図的に避けていたのは・・・」

上層部「当グループの損失でございます。」

ぼく「ごめんなさい。」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

私は本当に無知なので,まさかモディがマルイと兄弟だとは知りませんでした。

社会人なら知ってて当たり前ということを,知ろうともしないこの姿勢は直さなければなりません。

なお,このやり取りはほぼ原文ママですが,

ぼく「この事件がいつか終わったとき,謝罪の意味を込めてモディさんの記事書いてもいいですか?」

上層部「光栄です。」

という本当にこっちが恥ずかしくなるぐらい大人な対応をしてくれたので,せっかくだから書いてみようと思いました。

なお,この後,マルイ戸塚店の話で盛り上がったのは言うまでもありません。

ぼく「では,この件はこれで和解しましょう。」

上層部「喜んで。」

ということになりましたので,今度,戸塚に立ち寄る機会があったら,モディの中を見てみようと思いました。

2018年5月28日月曜日

心の在り方

手がけている難事件が超大詰め。渡部です。


私は思考をするとき,何か別のこと(映画を見ながらだったり,本を読みながらだったり)をしながら,「ながら思考」をします。そうすると割と思考が進むんです。

で,最近は「歩きながら」考え事をします。

私は普段車移動で,全く歩きません。

今年に入ってから電車に乗った回数は「ゼロ」回で,最寄りの駅まで歩くこともなく,運動不足が目下の課題だったのですが,「ウォーキング」とまでいかなくても,歩くようになりました。

これは非常に重大な事件で,私は「100m先にあるコンビニに歩いて行くのも嫌だから買いだめする」ような人間なので,(30分とか黙々と)歩くようになったのは,私の中で割と大きな変化だったりします。



さて。



当ブログの読者の皆様におかれましては,最近のプライベートな話をされたところでなんの興味もないでしょう。



だいたいこんな「私,最近こんな感じです!」みたいなよくあるブログを書いても,私の文才が絶望的についてこないので,読む価値を生み出すことはできません。

そもそもこのブログにあまり存在意義はありません。

それでも,ふと思ったことがあったので,備忘録も兼ねて書きしたためておきます。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

昨日のことなんですが,深夜12時頃,家の近所を黙々と歩いている際,気がつきました。


「あれ?おれ,うまく身体が使えなくなってる。」


これは「歳で」とか「体調が悪い」とかの類の話ではなく,本当に字の通り,身体がうまく使えなくなっているのです。

私自身サッカーの才能はありませんでしたが,私は指導者に恵まれました。

一番最初に出会った指導者は,「サッカーがうまくなること」ではなく,「自分の身体が自分の思う通りに動かせること」を教えてくれました(その後も,優秀な指導者は口を揃えて身体の使い方を教えてくれました。)。

例えば,みなさん,ちょっと椅子から立って,鏡の前で「気をつけ」をして見てください。

目を閉じて,両手を横に,地面に水平にして見てください。

目を開けてください。

絶対に両手は水平になっていないと思います。

わずかに手が上がっていたり,下がっていたり。個人差はありますが,「手を地面に水平にすること」は,自分の身体の感覚がわかっていないと絶対にできないんです。

なお,この例は,テレビで武井壮さんが全く同じことを言っていてびっくりしました(武井壮さんのパクリではありません。念のため。ていうか武井壮さんって運動神経おかしいよね。)。

同様に,「ももを水平に上げる」「腰を90度に折る」も,ほとんどの人ができません。

これは高校の時の指導者に言われて気が付いたんです。私はリフティングを千回以上(最長記録2時間半)できましたが,こんな簡単なこともできなかったのです。

これを少し難易度をあげると,重心移動の問題があります。

私はそれまで重心移動に全く気を使っていませんでしたが,高校の指導者は,「足の内側に力を入れること。特に足の親指を移動の軸に使うこと」と指導していました。

指導者曰く,「歩き方で(サッカーの)上手い下手がわかる」らしいです。

今回の記事は重心移動の話が主ではありませんし,文字にしてもわかりにくいので,足の親指と重心移動の関係を詳細に知りたい方は,「はじめの一歩」の幕之内一歩の練習箇所を読んでみてください。

いつも通り話が長くなって来たので,話を戻します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そんなこんなで深夜12時,私は,「足の親指に力がかかった歩き方をしていない!」と驚愕したんですね。

あれほど習得に時間を費やしたのに,ボールを蹴らなくなって,運動をしなくなって,おれはあの感覚を忘れてしまったのかと,呆然としました。

そこで,私は,昔を思い出しながら,黙々と国道脇の歩道を,足の親指を意識しながら歩き始めました。

5分くらい経ってからでしょうか。

うまく表現できないんですが,「あ,今,地面を『噛めた』な」という感覚が何度か生まれ始めました。

全くできないところから,少しずつ,地面を噛む感覚が蘇る。

小さい頃の,「できないことをできるようになる」というあの感覚が蘇る。

私は何か無性にワクワクして来て,何か,笑いが込み上げてくるような,高揚するような,なんとも言えない感覚になってきました。

そうだ。この「できないことをやる」感覚,「できないことができるようになる」感覚,これが楽しくて楽しくてサッカーをやっていたんだ。この感覚があったから,司法試験も耐えれたんだ。

そう思い出したら,自分の心の底から湧き出る感情を抑えきれなくなりました。


ここまで何を言っているのかわからない人がいるので,簡単に説明します。


30代後半のジャージ姿のおっさんが,深夜12時,国道の歩道をブツブツ何か言いながらニヤニヤして早歩きしている。


職務質問をかけない方がどうかしている。よかった,お巡りさんがいなくて。

なお,我に返ったのは,コンビニでカップラーメンを食べているガテン系のお兄さんと目があったとき,明らかに不審者を見る目を向けてくれたからです。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー

最近,税務と簿記の勉強を始めました。

理由は特にないんですけど,知っておいた方がいいかな程度の動機です。

だけど,法律とは全く違う脳を使うようで,全くわかりません。

それがいいんです。それでいいんです。

大人になると,できることを一生懸命やろうとすることが多いんですけど,できないことをやろうとすることってなくなると思うんですよね。

当然,やらなければいけないことを一生懸命やるんですけど,それでも,今ここに,ここまでこうしてあるのは,今まで「できないことをできるようになる」の連続をこなしてきたということを忘れてはいけないと思うんです。

あの子供の頃の感覚を,あの子供の頃に感じた高揚感を,それに勝るものはないと言ってもいいと思うし,それを忘れたら,ただの大人になってしまう。

できないことがあってもいい。

ただ,それを「楽しい」と思える心の在り方でいたい。







以上,私の大切な友人へ。

2018年5月23日水曜日

どうやって女性を口説くか〜渡部弁護士の実体験に基づく考察〜

1日に2本記事を書くブロガーの鑑。渡部です。


前記事で,標題の内容の出前授業をやってしまったという話を書いたんですが,なんかその話を思い出したら懐かしくなったので,たまには私がワイフを愛しているという話を書こうかと思います。

こういう記事を書けば,たぶん主婦層をうまく取り込めると思います。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

こんにちは。渡部です。

まず,私は,生涯で一人の女性としか交際をしたことがありません。そうです。ワイフです。

まず,ワイフですが,ぼくが高校3年生のときに口説きました。

その後結婚するまで交際が断続的に続きます。

「断続的に」と言ったのは,結婚するまでの10年間で,2回中断期間があるためです。

ただ,中断期間もそんなに長くないので,ほぼ付き合いっぱなしだと考えてください。

なお,中断事由は,ぼくの気持ちが浮ついたことが理由です。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

あれは高校3年生の秋。

部活を引退し,文化祭の準備をしているときでした。

クラスメイトに可愛い子を発見し,恋をしました。



なお,そのクラスメイトとは,2年生のときからずっと同じクラスだったんですが,ぼくが認識したのはその文化祭の準備のときです。
そうです。ぼくは部活の時間にならないと学校に来ない,ちょっと変わった子だったので,クラスメイトのことをよく知らなかったんです。



ここから私の戦略が始まります。


第1フェーズ 自己分析

理屈っぽいぼくは,どうやったらお付き合いできるか考えました。

当時のぼくにあったものは次のとおり。
・端正なフェイス
・授業に出なくてもトップ3の成績を叩き出す容量の良さ
・「サッカー部」というネームバリュー

戦力は全く問題ないと判断しました。


ただ問題が一つありました。

ぼくは極度の人見知りであり,かつ,女性恐怖症だったということです(マジ)。

女性と目を合わせることすらできませんでした(ガチ)。

戦力は問題ないのですが,指揮官がいない。

そんな状況を打破するために次の作戦を立てました。



第2フェーズ 指揮官就任

ここで幸運だったのが,ぼくは友達が少ないのですが,親友が多いということです。

そこで,当時最も信頼していた親友に,このことを相談しました。

この親友Sは,性格(真面目),授業態度(全出席),社交性(友達多い),センス(おしゃれ。軽音部でベース担当)全ての面においてぼくと真逆の才能がありました。

この親友が恋のライバルになるのであるなら仕方ありませんが,そうでなければ貴重な戦力です。

相談したところ,女性の好みのタイプまでもがまるで違うことが発覚。

今後の作戦指揮監督は親友Sが行うことになりました。


第3フェーズ 人海戦術

で,指揮官Sと議論してたんですが,前提として,Sもぼくも女性経験がゼロということを忘れていました。

大誤算です。

これでは,ただのモテない男二人がサイゼリアでドリンクバーでだべっているだけです。

そこで,指揮官Sの人脈を使い,頼りになりそうなやつをかきあつめることにしました。






その結果,男だけ10人ぐらいが集まりました。





男の子10人がサイゼリアで一人の女性のことを真剣に話している映像を思い浮かべてください。これはただの犯罪予備軍弾です。

ある一人が言いました。

「女性の観点からの意見を聞きたい。」と。

そう言えば,ぼくは女性からどう見られているんだろう,たしかに女子目線の意見って聞いてみたい。もっと服とかに気を使った方がいいのかしら。

そんなことをぼくが考えていたら,みんなが勝手に女子に連絡を取り出しました。




女子も含めて20人ぐらいの組織になりました。




なお,この組織の中にはターゲットの親友の女子2名も含まれています。



そして何より重要なのが,こいつらはぼくを抜きにして議論を始めたということです。

サイゼリアの滞在時間はゆうに5時間に達しようとしています。

そのときになって初めて気が付きました。






ぼくの恋が,ぼくのプライバシー抜きにして,クラス行事になってる。





おかしい。これはおかしい。ぼくのクラスは30人ぐらいなのに,今3分の2ぐらいいる。クラス外のやつもいるけど,なんか公知の事実になりつつある。

ぼくはサイゼリアでずっとメロンソーダを飲んでいたんですけど,その間,ターゲットの趣味趣向,経歴,家族構成といったあらゆる情報が集約されました。

というか,正直,ぼくのクラスは仲が良いクラスではなかったのですが,ぼくの恋をいじることにより,今,クラスが一つに結束しようとしつつあります。

そんな流れを断ち切って本当に申し訳なかったんですが,ぼくは,勇気を出して,思っていたことを言いました。







「ねぇ,文化祭の準備は?」






〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

そんなこんなでうまくいきました。当然です。ここまで圧倒的な人海戦術と言う名のストーキングを行えば,失敗する方が難しいです。

みんなには本当に感謝しました。


結婚式には,当時の担任の先生にも来てもらって,乾杯のスピーチをしてもらいました。


「先ほど,新婦の友人から,文化祭の準備期間に何かやっていたと聞きました。担任としては,学校行事をそっちのけでそんなことをしていたのかと思い,あとで新郎を問い詰めようと思います。」と言って笑いをとっていましたが,全然学校来ないぼくを卒業させたのはこの人なので,何今更教員ぶってんだ,とあとで笑って叩いておきました(実話)。


というわけで,女性を口説くためには,周囲の人間に任せるのが一番です。自分で何かやろうと思うと失敗します。







という話をとある高校でしました。大好評でした。

おしまい。

出前授業と司法試験

司法試験お疲れ様でした!渡部です。


受験生の方は地獄のような思いをされたと思いますけど,はっきり言って弁護士になってからの職責の重さの方がよっぽど地獄なので集中を切らさず勉学に励むと吉です。

ぼくは試験日の翌日,択一の答え合わせを自分でやっていたりしました。



さて,ぼくはロースクールで教えていないので,正直司法試験のことはどうでもいいんですが,新年度になり,今年もチラホラ出前授業の依頼をいただくようになりました。

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☆出前授業とは?☆

説明しよう!出前授業とは,応募先の団体(学校が多いです。)様に,弁護士を派遣し,「授業」を行うものである!
授業の内容は法律に絡めてしまえば事実上なんでもオーケーに近いザルみたいな審査しかないので,身近な法律問題の話からスポット授業(憲法に関してとか)まで,ご要望に応じて適当な話を弁護士がしに行くよ!

当会の場合は,以下のURLから簡単に申し込めるんだ。費用も1万円程度が目安だから,気軽に申し込んでね!別に1万円以上払ってもいいよ!
(神奈川県弁護士会の出前授業のページ)
http://www.kanaben.or.jp/profile/system/demae/index.html

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で,この出前授業なんですけど,学校様のご要望に応じて,それに適した弁護士を配点します(当会の場合,法教育委員会という弁護士100名以上で構成されている組織があり,その中から経験や知識をもとに講師を厳選します。ぼくも所属しており,一緒に活動していますが,法教育委員会本会を2年間ぐらいサボり続けています。)。

ところが,ホームページ上はそんなシステムになっていないと思うんですけど,ここ数年,特定の学校が,ぼくを指名して申し込んできます。

指名制度とかあるのか知らないんですけど,なんやかんやで結局ぼくが行くことになるのが毎年恒例行事となりつつあります。

今日は,ついに,当会を通じず,ダイレクトにぼくの事務所に講師依頼メールがきました。

ちなみになぜ毎年ぼくに指名が来るかというと,ぼくの話が生徒受けするかららしいです。

だいたい授業内容は「弁護士の業務について」とかが多いんですけど,(ぼく自体が学生時代そうだったので,)学生さんは堅苦しい話が嫌いだと思って,9割漫談,1割仕事の愚痴を言って帰るんですが,それが好評みたいです。




ここまで書いていて気がついたんですが,当会の代表として出前授業に伺っているにも関わらず,9割漫談を話している事実をウェブに載せると,間違いなく当会法教育委員会にこの事実がバレると思いました。

大丈夫,おれは法教育委員会の委員長と仲良しだから(震え声で




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さて。

そんなこんなで,よく,「弁護士業務について1時間で説明して」というミッションをこなすわけなんですけど,これがなかなか難しいんです。

何が難しいかというと,弁護士業務というのは多岐に渡りすぎて,説明しきれないんです。

弁護士という資格を持つと,「やれること」が多くなりすぎて,自然,その人がやりたいことをやるようになる,ということになりがちです。

例えばぼくの同期でも,大きな事務所に入って企業のサポートをしている人から,刑事弁護に熱を入れて無罪を何件も取っている(普通の弁護士は一生に一回無罪判決を取ればすごい)人もいるし,ぼくみたいに「町弁」としてなんでもやる人もいます。

ぼくは企業法務をほぼやらないので,企業法務の面白さを学生さんに伝えられないし,刑事事件も上手にできている自信はない(精一杯やることは前提ですが。)。

唯一,同期の中では特殊な経験をしているかな,という分野が「管財事件」なんですが,「管財事件」というのは一般の方に馴染みがなく,かつ,説明が非常にめんどくさいため,あまり授業で取り上げたことはありません。


要するに,ぼくが弁護士業務を語ったところで,それはぼく個人の狭い主観の話であり,弁護士業務は,もっと自由で,ぼくも知らない大きな世界だから,それをわかってほしいんだけど,それは抽象的で夢物語みたいに聞こえてしまい,伝えるのが難しいのです。

真実,大きな世界なのに。

あ,ちなみにぼくの同期で思い出したんですけど,ある同期が,今仕事で,東京にビルを作っているみたいです。



流石にここまで来るとぼくも意味がわかりません(いったいどういうことなんだろう。)。



で,冒頭の司法試験の話にも絡むんですが,司法試験という受難をクリアーした後,せっかく弁護士になったものの,数多ある分野から自分の得意分野を模索するという永遠に終わらない自分探しの旅を続けることになるので,合格した方は覚悟してください。

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なお,残念な結果になったとしても,私の同期の様子から鑑みるに,さらに大きな世界に羽ばたいているので,たぶん,法曹の世界に飛び込まなかった方の方が幅のある楽しい人生を送れると思います(断言)。



司法試験なんかで人生左右されないんだよ。絶対。



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なんの話ししてたんだっけ。

あぁ,出前授業の話か。




こんなことを毎回講師依頼を受けるたびに考えており,「うん。伝えきれない。無理。」と思って,去年は「どうやって女性を口説くか〜渡部弁護士の実体験に基づく考察〜」というものをやってみたんですが,意外と好評でした。




しまった。これもワールドワイドウェブに載せてしまった。法教育委員会が見る。




よし。この話でもするか。


2018年5月8日火曜日

鼓舞

約半年間,ブログのトップページが痔の話題のまま放置。渡部です。


今年に入りまして,大変困難そうな事件を受任したり,本当に職場と家の往復をするだけの半年間でした。プライベートほぼなし。

で,今日,後輩の弁護士から,「先生の痔のブログ面白いですよ」とお褒めの言葉をいただいたんですけど,


これは痔のブログじゃない。弁護士の業務ブログだ。


まずい。ブログ更新しなきゃ。そういうわけです。




で,いきなり話は変わるんですけど,私,弁護士になって10年らしいです(なんか10周年を同期で祝う会のお誘いがきました。私は人見知りなので既読スルーしました。)。

キャリア10年というのはなかなか一般の方からするとイメージが湧きにくいと思うのですが,もう「若手」ではなく,「中堅」と呼ばれるらしいです。

それでもイメージが湧きにくいと思うので,お笑い芸人さんでいうと,ぼくの同期はパンサー,日本エレキテル連合といったところのようです。イメージできたでしょうか。

ちなみに当会の会長クラスとなると,だいたい30年選手になります。お笑い芸人さんだと雨上がり決死隊,さまぁ〜ずなどです。イメージできたでしょうか。

10年選手の弁護士というのは,お笑い芸人だと「まだキー局の冠番組をもてない」,その程度だということです。なんだ,全然じゃないか。



ただ,飽きっぽいぼくが10年も同じ仕事を続けさせていただけているのは,周囲の方々の理解とご協力とご依頼あってのことなので,本当に恐縮です。

ぼくはきっと,生まれ変わっても同じ弁護士という仕事を選b




嘘です。選ぶわけありません。



楽な仕事がないということは重々承知しております。しかし,例えば自分の子供に同じ仕事に就かせたいかというと全くこれっぽっちも思いません。

・人様の人生をダイレクトに左右するプレッシャーにメンタルがやられる。
・日々経費との格闘。
・仕事の99%はパソコンに向かって起案。
・華々しさは皆無。
・会務という名のボランティア。

自分で選んでおいてなんですが,お金を稼ぐなら他に方法があったはずです。

というわけで,仕事が一区切りついたので,「弁護士になってなかったらどんな仕事がしたいか」という小学生のような現実逃避をこれからしようと思います。


ただし,ただあれこれ想像するだけではつまらないので,私の属性等から,あり得る選択肢をできるだけ理論的に抽出しようと思います。

①素養

まず,肉体労働は無理です。

学生時代サッカーをやっていたのですが,どんだけ筋トレしても170センチ56キロ(体脂肪率2%)を超えることはなく,体を使った仕事はダメです。
よって,
・スポーツ選手
・腕っ節が必要なガテン系お仕事
これらは真っ先に除外されます。素質がありません。

では,頭脳労働はどうでしょうか。

残念ながら頭脳労働は無理です。

そもそもぼくはまともに学校に行っていなかったのですが,理由は「勉強が嫌い」だからです。
司法試験に受かったのは運です。
よって,頭脳労働による対価をもらえる仕事は除外されます。素質がありません。



これらの考察からすると,ぼくは「肉体を動かすことなく,頭も使わない」で対価を得る方法を考えなければなりません。


②本人の希望

先に素養の方から話してしまいましたが,本人の意向というものも重要です。

「好きこそ物の上手なれ」という言葉があります。ある程度素養で劣っていても,それに勝る情熱があればそれなりになんとかなるはずです。

また,私が尊敬する検事が言いました。「職業が人を作る」と。仕事の向き不向きを自分で決めつけないで,一度決めて続けていれば,それなりの人間になるはずです。

そこで,私が好きなものを箇条書きにしてみました。
・サッカー
・将棋
・ゲーム
・寿司
・文章を書く
・女性

これを客観的に見てみます。
・サッカー(全国レベルってすごい。無理だわ。)
・将棋(将棋ウォーズ2級。)
・ゲーム(対人でウイニングイレブンで勝ったことなし。)
・寿司(美味しい。)
・文章を書く(何も考えないでブログが書ける。)
・女性(弁護士という肩書きを得てもモテないものはモテないことが実証された。


この中で唯一,「文章を書く」だけ光明が見えました。ではこれで対価を得ることができるのでしょうか。

③検証

結論から言えば,無理です。

実は,もうずいぶん前の話ですが,とある編集の方から,このブログを書籍化しないかというお話を頂いたことがありました(衝撃)。

編集「とても弁護士の先生が書いたように思えないし,読み物として面白いと思うんです。」
ぼく「ほう。わざわざ自分の恥部を書籍という物質に変えようという話ですか。正気ですか。」
編集「ただ,記事数が絶対的に足りないです。もっと更新してください。」
ぼく「どれくらい?」
編集「週に1度くらい更新していけば,(この)話に現実味がでます。」


無理だよ。痔の話で半年放置しているぐらいだもん。

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新年度が始まり,就職活動や新しい環境に飛び込んだ方も多いと思います。

少しだけ,真面目な話をさせていただきます。読み飛ばしてくださって構いません。ブログのオチはもう終わったので。

私が弁護士になった動機はいろいろあるのですが,弁護士を「続けている」理由は一つだけです。

ある人に評価してもらいたい。

それだけです。

ただ難しいことに,その「ある人」から,直接褒めてもらうことはもうありません。

ただひたすら,自分が正しいということをやり続けなければならないということだけは理解しています。

私の場合,たまたまそれが弁護士という仕事を得ることができたので,ただひたすらその評価を欲しくて(実際にはもうこの耳で聞けないんだけど),仕事を続けています。

評価してもらえてしかるべき場所まで到達できたかというと,10年経っても全然ダメだな,と自分で思います。

ただ,不思議なもので,そうやって生活していると,慕ってくれる同業者の方ができたり,頼ってくれる昔の友達が現れたり,妻ができたりするもんです。

自分では納得できていませんが,そういう人たちは大切にしたいなと思っています。

「職業が人を作る」とK検事は言ってくれましたが,果たして私は少しは弁護士らしい人間になれているのでしょうか。

10年ぐらいでは,まだ迷ってばかりです。

私は仕事を続けることそれ自体は大したことではないと思っています。

ただ,自分で決めた「何か」がブレないでいることは,ちょっとだけ誇らしいし,「ある人」に唯一褒められたところなので,この先,同じ仕事を続けるにしても,別の仕事を始めるにしても,ブレることだけはないようにしたいと思っています。

司法試験も,就職活動も,迷うことだらけでしょうが,実はそれ自体は人生で大きな意味を持たないと思っています。

どれだけブレないか,また,ブレたときに気がつけるかが,私はとても大事だと思っています。

私はそれを,この10年,お客様から教わりました。

いろいろな方の事件を受任しましたが,皆さんをみていて,そう思えました。

何が大切なのか,私もときどきわからなくなるときがありますが,そうしたら目を閉じて「ある人」に聞くようにしています。

必ず,答えを一つだけくれます。

さぁ,仕事でもしましょうか。明日も訴訟提起です。負ける気は,しません。

2018年1月7日日曜日

前回の続き(但し痔の話とはちょっと違う)

前回記事の続きです。渡部です。


実は,前回の記事は,あらかじめ「続編」を想定して書いていたので,その続編をどのタイミングで投下するか見計らっていたのですが,諸事情を総合的に考慮し,本日,続編を投稿することとしました。

その理由は読んでいただくとわかるシステムになっておりますが,たいした理由ではありません。

では,スタート。

〜〜〜前回のあらすじ〜〜〜

いぼ痔があり得ないぐらい痛くなったので手術した。

〜〜〜〜〜以 上〜〜〜〜〜


【告知編】

時は前回記事の【DAY 9】に遡ります。
そうです。いぼ痔の手術中のことでした。

先生「よし,いぼ痔を切開できた。」

ぼく「お見事!(麻酔が効いているため全く痛く無い。この後麻酔が切れて地獄を見る。)」

先生「うーん,これ,一応検査に回しておきますね。」

ぼく「検査?」

先生「うん。」

一体何の検査なのかわかりませんでしたが,麻酔が効いている上に宿敵いぼ痔が身体からなくなった達成感,平日の昼間にも関わらず下半身を解放して手術台に寝そべっている開放感から,その時は何も思いませんでした。



ただ,いぼ痔の手術をしたことがある方はわかると思うのですが,たかがいぼ痔,されどいぼ痔,「手術」をしているので,術後の経過を見るために通院を続けなければなりません。週に1度のペースで通院していました。

基本的に肛門科の素晴らしさに気がついたぼくは,むしろ肛門科に通うのが楽しくなっており,持ち前の人懐っこさを活かした営業能力を無駄に肛門科で発揮し,お尻丸出しにしながら看護師さんの法律相談に乗っていたりしました(職業は手術時にバレている。)。


あれは三度目の通院だったので,術後三週間前後のことです。

先生(もはやマブダチ)がいつもと少し違う,難しそうな顔をしていました。


先生「わたべさん,手術の時,切除した痔を検査機関に回したの覚えている?」

ぼく「そんなことあったかもしれません。」

先生「その結果が検査機関から届いたんだよ。」

ぼく「ふむ(何か嫌な予感。)」

先生「検査結果がこの紙に書いてあるんだけどね,難しいからわかりやすく説明するね。まずね,(以下略)」

ぼく「何言ってるか全然わかりません(清々しいまでの態度)。」

先生「じゃあもっとかいつまんで言うね。わたべさんは,今回の痔になる前に,ずっと長い間,痔,ないし炎症を肛門内で起こしていた可能性があったの。それが今回レベルⅢまで育っちゃったのね。」

ぼく「そこまではわかった。」

先生「でね,炎症を起こすと,炎症を治すために,細胞は一度死んですぐ新しく再生しようとするの。細胞は,「死んで,再生して」のサイクルが元々あるんだけど,炎症がずっと続いていると,そのサイクルが細胞の寿命と関係なしに早いスピードで行われるのね。」

ぼく「なるほど。」

先生「そこで,ようするに「細胞の上書き」が行われるわけだけど,再生サイクルが頻繁に行われると,うまく「細胞の上書き」ができないときがあるの。」

ぼく「そうなの?」

先生「そうなの。」

ぼく「つまりあれですか,Excelでセルのリンクを複雑にしすぎて上書き保存した時に,何かの拍子で上書き時にリンクがうまく更新されなくてオートSUMが正常に作動しなくなって,合計値が合わなくなって必死に電卓叩く例のあれですか(Excelあるある)。」

先生「イメージとしてはそれ。でね,検査機関の結果によると,おそらくその「細胞の上書き」がどこかでミスが生じたようで,わたべさんのいぼ痔から,『異形のDNA』が検出されたの。」

ぼく「先生,ぼくは職業柄か,なんとなく相手の言わんとすることを理解しようとする性がありますが,はっきり言ってもらって構わないです。それは,癌の可能性がある,ということですか?」

先生「(一呼吸おいてから)そういうことです。」



癌?




ぼく自身は,この先生はとても良い先生だと思っておりまして,文字におこすと淡白な感じがしますが,ぼくの心情面を最大限配慮しながら話してくれたと思っています。
先生の話をまとめると次のような感じでした。

・いぼ痔から『異形のDNA』が検出された。
・『異形のDNA』は細胞の上書きが頻繁に起こると生じる場合がある。
・おそらく,長年便通の際に肛門に負荷をかけていたため,炎症が慢性化しており,時期は不明であるものの,その際に細胞の上書きミスが生じた可能性が高い。
・肛門付近の癌は,医学上大腸癌とは呼ばない。おそらく癌だとすると扁平上皮癌(へんぺいじょうひがん)。
・切除したいぼ痔以外の細胞を調べる必要がある。そのため,大腸カメラをする必要がある。



さぁここまで小難しい話をしてきましたが,癌(あくまで可能性)と言われたその瞬間のぼくの気持ちはどういうものだったのでしょうか?ショック?悲しみ?諦め?焦り?このブログのスタンスでもありますが,嘘偽りなく書きます。






「最上の被験体(ネタ)を手に入れた(ガチ)」





私は一昨年,義父を癌で亡くしていますが,とても悲しかったです。悲しいと言う言葉でおさまらない感情でした。

他方,今回は他人ではなく自分自身が被験体であるため,周りの人がどうだか知りませんが私自身が悲しむことはありません。

痛いかもとか,手術かもとか,そういうネガティブな考えよりもまず先に,「未体験ゾーン突入」という高揚感が圧倒的に勝ってしまいました。

よく考えてください。先生は「便通による炎症が蔓延化したため細胞の上書きミスが生じた」と説明していますが,これをぼくが理解できる日本語に訳すとこうなります。


「う◯このし過ぎで癌になる。」


そうです。先生はオブラートに包んでくれていますが,要はうんこをし過ぎて肛門を酷使したために異形のDNAが出てきてしまったのです。万が一ぼくが死んだら死因は「扁平上皮癌」かもしれませんが,ぼくのお葬式で,地元の友達は口を揃えてこう言うでしょう。


「源はう◯こをし過ぎて死んだ。」


ぼくらしい死に方だ。人生のオチとして美しすぎる。



このため,告知らしきものを受けても全く悲観することがなく,むしろどうネタにするのか考えながら事務所に帰りました。
しかし調べてないけど,扁平上皮癌というのは,癌という以上,これで亡くなられている方もいるだろう。
ましてや自分はまだ癌と確定したわけでも無い。
ネタにするのは不謹慎かもしれない。
でも,こういうことを知らないで放置して手遅れになる人がいてはならない。
ただ,不確定情報をブログに晒すことはできない。
でも書きたい。
誰かに言いたい。
どうしよう。どうしよう。
よし。現在までに確定している情報をブログにするのは別にいいんじゃないか?
癌と確定していないのであるならば,癌という事実を除いて書けば嘘にはならないんじゃないか?
いぼ痔から癌が見つかるなら,今,いぼ痔で悩んでいる人がすぐ肛門科に行って,本当の意味で手遅れにならないような記事を書くこと自体はいいのではないか?

こう考えて行動に移したのが平成29年11月22日21時45分です。




そうです。前回の投稿はこの告知を受けた日に書きました。




〜〜〜〜〜余談〜〜〜〜〜〜

割と冷静に受け止められたと思っていますが,それは再三申し上げている通り,義父の存在が大きかったと思います。
20年以上に渡る癌との闘病生活で,最後の方は喋ることもできず,それでもぼくに最期まで笑顔を見せていた義父は,ぼくの心の中で「士」であり,「こうありたい。」「義父の癌に比べれば,可能性の告知で動揺するわけにはいかない。」と心を保てたのだと思っています。
また,かなり早期に異形物が見つかったので,致死率もそんなに高く無いだろう,高かったらもっと医者も気を使った告知をするだろうと思っていたのだと思います。
私は自分のことを笑いに変えたい性格ではありますが,この病気で苦しんでいる方も多くいらっしゃると思いますし,ぼく以上に心のあり方で悩んでいると方が大勢いると思っています。
その人たちの何万分の1の出来事を体験した今だから改めて思いますが,ぼくはその人たちを心の底から尊敬します。

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【告知の告知編】

さて。

そんな突拍子もないことを先生から言われたぼくですが,動揺するよりも,悲しむよりも,ネタとしてどう扱うか考えるよりも,先にしなければならないことがあります。

仕事です。

仕事には絶対に支障をきたしてはいけません。ちょうど年末に差し掛かった時期でしたが,身体自体は元気そのもの。通院の関係と期日の関係はうまくスケジュール調整できました。

但し,先生から注意事項が出ました。
①三食バランスの良い食事をとる(1日一食しか食べてなかった。)。
②必ず決められた通りの投薬する。
③コーヒー等はダメ。
④タバコ厳禁。

先生には,④以外は全て守ることを誓い,家路につきました。(私は1日80本のタバコを吸う人でしたが,40本に減らすから許してくださいと言いました。先生は許してくれませんでしたが,現代医学の力はタバコに負けないことを信じました。)

ただ,食事制限が出ている以上,配偶者の協力は絶対に必要です。妻には言っておく必要がありました。
但し注意事項として,義父,つまり妻の実父は一昨年癌で亡くなっております。「癌」というワード自体妻は敏感になるでしょうから,そこはうまいこと,妻のショックを和らげなければなりません。


(妻編)

ぼく「ただいま。」

つま「おかえり。」

ぼく「あのさ,「かもしれない運転」って大事だよね。」

つま「車を運転するときの?」

ぼく「そう。「あの角から子供が飛び出してくるかもしれない運転」,「前の車がウィンカーつけずに左折するかもしれない運転」とか。」

つま「大事よ。源ちゃん普段車通勤しているから気をつけないと。」

ぼく「今日,先生のところに言ったら言われました。」

つま「なんて?」

ぼく「癌かもしれない。





大失敗でした。




やばい泣いてる喚いてる,うわー,タバコをどうたらとか言い出した,うんうん,癌じゃ無いの。癌「かもしれない」状態なの。そんなおおごとじゃ無いの。

とりあえず妻を落ち着かせました。

身体自体はぴんぴんしていること。

おれ自身の心は保てていること。

仕事には今の所支障が出ないようになっていること。

まずは大腸カメラをしてみないとわからないこと。

わからないことを考えても仕方のないこと。

まだ一歳にもなっていない子供もいるんだし,今やるべきことをしなきゃいけないこと。

ちなみにおれは生命保険をマックスまでかけているから死亡保険金4000万円が出ること。

さすが弁護士の妻です。落ち着きました。特に保険金の話をしたときの妻の表情が印象的でした。


(元ボス編)

ところでぼくは弁護士会のとあるプロジェクトチームに所属して,一応副座長という役職を与えられております。

このチームの業務だけは,ぼく個人のスケジュール調整でクリアできない上に,下手に役職があるため,ぼくがいないとうまく回らない可能性があるプロジェクトです。

手術の可能性もあり,チームの業務に支障が出る可能性があるため,トップ,座長である元上司の弁護士に話に行くことにしました。

ぼく「すいません,ちょっと(二人だけで)いいですか?」

元ボス「どうした?」

普段ふざけた話しかしない間柄ですが,こんな切り出し方はぼくが「独立します」と言い出したとき以来だったので,元ボスも身構えていました。
しかしぼくは前日,妻に伝える際にした失敗を糧にする能力があります。大丈夫。今度はうまく行く。

ぼく「(二人っきりになって)これから話すことは,あくまで『たいしたことない話』だということを認識してください。何を話しても『たいしたことない話』,です。」

元ボス「わかった。」

ぼく「ぼくは癌かもしれません。原因はうんこのし過ぎです。」

元ボス「(いろんな意味で)どういうことだ。」


今,文字におこしてみたら,確かにこれで伝わると思う方がどうかしています。

意外にも(失礼)元ボスはすごく心配してくれて,あれこれ症状やら生活やら心配してくれました。

元ボス「癌は家系によるとか言われるしなぁ・・・」

ぼく「なるほど。」

プロジェクトチームの業務に支障が出ないようにしたぼくは,早速自分が癌家系かどうか確かめることにしました。




(お母さん編)

「ただいま電話に出ることができません。ピーっと鳴ったら・・・」

電話に出ないのでめんどくさいから伝えるの端折りました。


たぶん,ぼくのお母さんは,このブログでぼくの状況を知ることになると思います。




【大腸カメラ編】

いよいよ大腸カメラの日がやってきました。

大腸カメラはほぼ丸一日使います。

午前:下剤を飲んで腸をカラにする。
昼過ぎ:30分ほど大腸カメラ検査。
午後:2時間ほど安静にした後帰宅。帰宅後も安静。

ていう感じです。

朝9時に病院に来るよう指示されていたぼくは,見事9時15分に病院に到着。

看護師さんからモビプレップという下剤を飲むよう指示されました。

このモビプレップが厄介で,飲み方があります。
・モビプレップは全部で2リットル。
・まず,200ミリリットルを10分〜15分かけてゆっくり飲み,それを5回繰り返す(合計1リットル)。
・次に,水200ミリリットルを10分〜15分かけてゆっくり飲み,それを3回繰り返す(合計600ミリリットル)。
・さらに,モビプレップを200ミリリットル10分〜15分かけてゆっくり飲みそれを5回繰り返す(モビプレップ第2ターン)。
・最後に水200ミリリットルを10〜15分かけて3回以上繰り返す(水第2ターン)。

で,このモビプレップが,なんというか,絶妙なまずさなんです。

飲めなくはない。だが決して美味しくはない。できれば飲みたくない。ぼくが大人じゃなかったら駄々こねて絶対に飲まない。だがぼくは大人なので我慢して飲まなきゃいけない。このまま大人になんてなりたくない。ネバーランドで過ごしたい。

だが男にはやらねばならない時がある。

このモビプレップを飲むと便意が来るんですが,便が最終的に透明の水だけになるまで飲み続けます。

逆に言えば,便がカスもなく透明にするのが目的なので,そこまでいけばモビプレップを全部飲み干す必要はないというメリットがモビプレップにはあります。

ちなみにぼくがそれを知ったのはモビプレップを1.8リットル飲み干した後で,便はとっくに透明になっていました。

ぼく「ここまできたら全部飲みたい(使命感)。」

看護師「ダメです。」

モビプレップをせがんできた患者さんは初めてだそうです。



そしていよいよカメラを肛門から入れて腸の中を見るわけですが,ぼくには不安がありました。


ぼく「すいません,トイレ行っていいですか?」

看護師「また行くんですか?もうカメラ始められますよ?」

ぼく「だって,カメラ入っている状態でうんちしたくなったら,ぼくはカメラごと噴出する自信があります。」

看護師「大丈夫です。もう先生来るから始めましょう。」

ぼく「ひどい。」

看護師「大丈夫なんです。カメラの先に,便とかを吸引する掃除機みたいなのがついていて,便を吸いながらカメラが入って行くんです。だからカメラの最中に便が出ることは絶対にありません。


なんということでしょう。

単に腸内を見るだけならカメラ機能だけで十分なはず。しかし匠は利用者の目線に立って粋な吸引機能までつけてくれたのです。費用も当初の予算の範囲内。匠の心配りが見て取れます。(劇的ビフォーアフターの音楽を脳内で流してください。)


先生「あれ?」

ぼく「なに?」

先生「わたべさん,腸の中,すごく綺麗だね。」

ぼく「ぼく,他人から『綺麗』って言われたの初めてです。」

先生「うん。すっごく綺麗。心配していた肛門付近も,腫瘍みたいなものはないね。ほら,スクリーン見てくれない?ここ,たぶんいぼ痔の手術痕だけど,この辺の細胞,2箇所ぐらいもらっていい?」

ぼく「どうぞ。」

先生「あ,ここももう一個もらっていい?」

ぼく「好きなだけどうぞ。」




【まとめ】

というわけで,「お前のいぼ痔,癌かもしれない」と言われたものの,どうやら大丈夫そうです。

いぼ痔に異形のDNAがあったこと自体は事実ですが,他に転移しているか可能性は極めて低いそうです。

はっきり可能性として「ない」と言われるまでこのブログは更新しないつもりだったのですが,

ぼく「癌じゃないと断定していいですか?」

先生「一年後また来て。

うん,そんなに待てない。

というわけで,ブログを更新することにしました。



このブログの性質上,ネタっぽく書いていますが,癌の闘病生活それ自体は大変苦しいものだということを私は見てきています。
どのような境遇であれ,それと戦っている人間は尊敬しますし,それをサポートされている方の並並ならぬご苦労は目頭が熱くなるときがあります。
そこには他人から評価を得たいという人間の欲望ではなく,「生きるために戦う」という評価を求めない強さがあり,そのような強さを私は本当に尊敬します。
この投稿を見て,自分は全然健康だけど,ちょっとだけ病院に健康診断に行ってみようかなという方が一人でもいたならば,私がこの文章を書いた意味があったと思い,投稿する次第でございます。

弁護士の業務ブログとして書く内容ではないかもしれませんが,そのような目で読んでいただければ幸甚でございます。

長文を読んでいただき,誠にありがとうございました。



疲れた。